【実話】スポーツトレーナーのやりがい

アスレティックトレーナー

スポーツトレーナーはプロアマ問わず運動をする人に対し、身体的な健康管理やトレーニングなどのサポートを行う専門家です。

トレーニングメニューの組み立てから食事や栄養摂取のアドバイス、リハビリテーションの指導など、仕事内容は多岐にわたります。

私自身、スポーツトレーナーとしてサッカーチームに所属しながら、日々選手をサポートしています。

みなさんのお仕事にも【やりがい】があるように、

スポーツトレーナーにも
小さいやりがいから大きなやりがいまであります。

今回は私の体験談をもとに スポーツトレーナーのやりがい について

ご紹介していこうと思います。

長期離脱していた選手がピッチへ。

スポーツには怪我が付き物です。

相手と接触して怪我をすることもあれば、肉離れや捻挫など接触はしていないけど突如怪我をしてしまうこともあります。

我々スポーツトレーナーは選手が怪我をしたら応急処置をし、医療機関と連携をしながら選手の競技復帰までのリハビリをサポートしていきます。



ある1人の選手が腰痛を訴えてきました。

一週間前くらいから痛みがあったとのこと。


病院で検査をしたところ【腰椎ヘルニア】の診断でした。

彼はまだ中学生で成長期ということもあり、しっかり時間をかけて治していこうという治療方針が立てられました。

当初は全治3ヶ月という期間で復帰していく方針で、
本人も落ち込むことなくリハビリに取り組んでました。

しかし、リハビリの途中から症状がスッキリしない期間が続きました。


痛みが取れないもどかしさ。

他の選手がうまくなってる中で自分だけリハビリ。。


焦りとぶつけようのない怒り。

思春期というのもあり、家では感情的になることも多かったそうです。


リハビリを開始してから2ヶ月が経過したところで、再度検査をしました。

検査結果は期待していたものとは逆のものでした。


全治3ヶ月だったものが6ヶ月へ。

症状が消失すること。再発をさせないこと。落ちた体力を上げること。
を基準にリハビリを継続することに。


「この長いリハビリがまだ続くのか。。。」

彼は私の前でポロっと呟いたのが印象的です。。


それでも目が死ぬことなく、必死にリハビリに取り組んでいました。

復帰したら〇〇みたいなプレーをしたい!

復帰後のイメージを語りながらリハビリをするのが日課でした。

経過に伴って症状は消失。

柔軟性も獲得し、体力も戻ってきました。



リハビリ6ヶ月後。

スポーツドクターとも相談し、

コルセットをつけながら復帰していきましょう!と。。

その時の彼は何よりも嬉かったんだと思います。
目がボロボロになりながら泣いていました。。


復帰戦。

最初の出場時間は15分間。

6ヶ月ぶりの試合出場。

こういう時のトレーナーって何を思うんですかね。。

私はやっとピッチに立たせてあげれた!!

なんて思えなかったのが正直なところでした。


頼むから無事に15分間を終えてくれ。

腰を押さえないでくれ(痛そうな素振りを見せないで)。。

彼のためを思ってなのか、私自身を思ってなのかは分かりませんでした。

試合が終わり選手のもとへ。

「全然問題ないです!」

この言葉と選手の笑顔でやっと気持ちが晴れました。

ああ。良かった。




復帰後、初めての公式戦。

チームを救うヘディング弾!

ベンチも盛り上がる中、選手が真っ先に私のところに来てくれました。




「点を決めたらまずトレーナーのところに行きたかったんです!」

試合後にそう熱く語ってくれました。



2024年シーズンが終わり、改めてその選手から
「長いリハビリだったけど、ありがとうございました。本当にありがとうございます。」
と言葉をもらいました。


選手が辛い状況や逆境の中だからこそ、寄り添えるようなトレーナーになろうと日々思っていました。

勇気を与えられる人間になろうと。


でも今思えば、私こそその選手から勇気をもらっていたんだなぁと感じます。


家では悔しくて涙をいっぱい流しても、グラウンドではやるべきことを行う前向きな姿勢は、
私自身見習うべきものだなと率直に思いました。




スポーツトレーナーのやりがいはなんでしょうか。

私はこの1人のサッカー選手を通じて、

スポーツの感動と、日に日に逞しくなっていく選手の成長を見守れることがやりがいだなと感じました。



スポーツには人を動かす力がある。


私は1人のスポーツトレーナーとして、
スポーツ・サッカーに関われていることに心から誇りに思っています。


























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