アスレティックトレーナー(AT)は、スポーツ選手や一般の人々の体調管理、リハビリ、そしてトレーニング指導を行う専門職です。
そのため、アスレティックトレーナーになるための理論試験では、
運動生理学、解剖学、アスレティックリハビリテーションなどの幅広い知識が求められます。
膨大な知識量はもちろん、試験の傾向と対策を行なっていくことで理論試験の合格が見えてきます。
私は勉強量に加えて試験対策も同時に行っていたため、
全国模試では300人中1位の成績をとり、
本番の試験では95%以上の正答率で理論試験を合格しました。
その時に行っていた勉強方法も含めて解説していきます。
理論試験の勉強を行っている人、これからアスレティックトレーナーを目指す人はこれからご紹介する方法を是非参考にしてみてください。
【難関】理論試験の合格率
理論試験の概要ですが、
基礎問題110問・応用問題110問、5肢選択形式で、
正答率7割以上(必修問題は8割以上)という高い合格基準が設けられています。
理論試験の合格率は20〜30%と低い傾向にあります。
受験者の半分以上は落ちてしまうのがこの理論試験の難しいところです。
合格率からわかるように、試験に合格するには相当な勉強量が必要になってくるわけです。
しっかり勉強すれば確実に受かる!
合格率が低い理論試験ですが、しっかり勉強・試験対策を行えば全く問題ありません。
特に勉強量のところは絶対的に必要なので、学生の間は勉強を最優先で行っていきましょう。
目安でいうと学校の授業をのぞき、毎日3時間以上勉強を行えば、余裕で理論試験は合格できるレベルかと思います。
AT教本は暗記レベルで覚えろ!
まずAT教本に関しては【①アスレティックトレーナーの役割】以外、
ほとんど暗記しましょう。
ハードな勉強法にも聞こえますが、これが一番確実です。
なぜなら試験問題のほとんどが、AT教本から抜粋されたものだからです。
私も一番最初は教本の暗記から行いましたが、ここのベース作りが一番重要だなと感じました。
※もし、試験まで時間がないという方は教本よりも先に過去問を行ってください。
覚えなくていい範囲
とは言っても時間がないと行えないのも事実なので、
教本の全暗記が難しい人のために覚えなくても問題ない範囲だけお伝えします。
※この範囲は試験問題に出題されづらいところを中心にピックアップしています。
①アスレティックトレーナーの役割7ページ以外
理由:応用問題のところで、たまに年表のところが出題されます。
ここに関しては西暦をしっかりと覚えないといけないので7ページのところはしっかり押さえておきましょう。
反対に、それ以外の問題では【診断に関して】など簡単な問題ばかりなので暗記までする必要はありません。
⑤検査・測定と評価81〜95ページ
理由:上記の範囲は今までの過去問では未だ出題していないところになります。
記載内容を見ても福岡県の事例などが紹介されていますが、
出題する側からすると、中々試験問題にするのが難しいところでもあります。
新しい内容が書いてあるわけでもないので、この範囲は覚えなくても良いかと思います。
⑥予防とコンディショニング97〜116ページ
理由:基本的にトレーニングの細かいやり方なども覚えなくて問題ないです。
パワークリーンに関しては、過去問でも何度か出題されているので、チェックしておきましょう。
⑥予防とコンディショニング120〜126ページ
理由:コーディネーショントレーニングの具体的なメニューも覚えなくて大丈夫です。
過去問でも見たことがありません。
⑥予防とコンディショニング139〜148ページ
こちらも同じくトレーニングメニューは覚えなくて大丈夫です。
AT教本以外の参考書
理論試験の問題は基本的にAT教本から出題されますが、
AT教本以外の参考書からも、時々出題されることがあります。
中には時間をかけて勉強をしないといけない参考書もあるので、
必ず確認してください。
持っておくべき参考書
【入門運動生理学】
運動生理学の分野では、こちらの参考書から出題されていることが多いです。
運動生理学は苦手意識がある人も多いと思いますが、
こちらの本は図も分かりやすく解説されているため、勉強しやすい一冊となっています。
【スポーツ・バイオメカニクス入門】
スポーツバイオメカニクスの分野ではこちらの本からも出題されます。
ページ数はそんなに多くないため、比較的勉強しやすいかと思います。
【スポーツ外傷・障害の理学診断・理学療法ガイド】
スポーツ外傷・障害分野では、こちらの参考書からたまに出題されています。
ページ数も多く内容も難しいため、過去に出題したところを押さえる程度でいいかと思います。
【スポーツメンタルトレーニング教本】
心理学分野ではこちらの参考書が一番信頼度のあるものかと思います。
心理学は唯一答えのはっきりしない分野なので、
試験本番では、直感に任せての選択でもいいのかなと個人的には感じています。
持っていると便利な参考書
これからご紹介する参考書に関しては、中古でも全然問題ないかと思います。
メルカリなどのフリマアプリなどで安く購入するのも一つの手ですが、
今後も使っていける参考書なので、新品の購入をおすすめします。
【筋骨格系のキネシオロジー】
有名な解剖書の一つです。
イラストが綺麗で見やすいのが特徴で、付着部の記載も細かくまとめられています。
試験勉強にはもちろん、今後のトレーナーの勉強を支えてくれるであろう一冊。
第2版以降であればOK!
【プロメテウス解剖学アトラス】
こちらの解剖書も医療従事者をはじめ、多くの方に愛されている有名な一冊。
ページ数は500ページを超えており、持ち運ぶには少し重いかもしれません。
第2版以降であればOK!
【過去問】を制する者は試験を制す
教本の内容をある程度覚えたら、次は過去問をどんどん行っていきましょう。
現在、日本スポーツ協会が公開しているのは、
平成26年度〜令和5年度の10年間分の過去問になります。
https://www.japan-sports.or.jp/coach/tabid881.html
過去問を行うメリットとして
- 試験内容の傾向が分かる
- 自身の実力把握
- 問題文の読解力向上
- 試験時間を身体に染み込ませる
といったことが挙げられます。
簡単に言うと試験に慣れるようになります。
理論試験の大きな特徴として、過去問に類似した問題が半分以上出題される傾向にあることです。
つまり、過去問を網羅するだけで試験問題の正答率が飛躍的に上がるようになります。
過去問の注意点
過去問を行う際のNG行動が一つあります。
それは、中途半端にやって問題を覚えてしまうこと。
私自身がそうだったのですが、いい加減な気持ちで過去問に取り組んでしまうと、
自身の学力に繋がらないどころか、
問題を一度見てしまったことで、その問題は今後使えなくなってしまいます。
本番同様、初めて見る問題を解いた方が自分の力になりますので
過去問を行う際は、一回一回真剣に取り組んでいきましょう。
過去問勉強の方法
具体的な過去問勉強に関して、現役合格した私のやり方をご紹介します。
結論:試験と近い環境を作って行う。
私の場合は、図書館など静かな場所・他人がいる空間で過去問を解くようにしていました。
制限時間は本番と同じ2時間半で行います。
↑こちらは私が実際に過去問を解いた時のものです。
- 解いた日時
- 問題年度
- 試験時間
- 回答&正誤判定
- 点数・正答率
- 科目ごとの点数・正答率
などを記入していました。
科目ごとに正答率などをだすことで、自分の苦手な分野などが把握できるのでおすすめです。
丸つけをしたら、実際に間違っていたところの確認作業を行います。
また、正解していたものの不安だった問題に関しては事前にメモしておくことで後で振り返りやすくなります。
各年度最低2回ずつ
現在、10年間分の過去問が公開されていますが、
理論試験までに各年度最低2回は解くようにしておきましょう。
流れとしては
平成26年度→平成27年度→・・・令和5年度
これを2周繰り返していきましょう。
問題を覚えてしまう事を防ぐためにも、
過去問を一気に進めるのではなく、週に1・2回行っていくと記憶定着につながっていきます。
目標:正答率95パーセント!
過去問の目標としては、2周目の段階で正答率95%を目指していきましょう。
個人的な感覚ですが、
10年間全ての過去問で95%以上取れるようになれば合格はほぼ間違いないかと思います。
過去問を2周して95%以上取れていなければ、
3周、4周と頑張って解いていきましょう。
【ATハンドブック】の活用
ATハンドブックとは、
一般社団法人 AT NETWORK さんから出版されている過去問攻略本になります。
毎年受験生の2人に1人が使っているらしく、
私の周りでも、理論試験を合格したほとんどの人がこの本を使って試験対策していました。
この本は、膨大な過去問題を科目ごとに整理・網羅されているのが特徴です。
科目ごとにまとまっていることで苦手分野のみの勉強も可能となっているので、
自信を持っておすすめできる一冊となっています。
リンクも貼っておくので、気になる方は検討してみてください。
先ほどもお伝えしましたが、もし試験まで時間がない方がいたら過去問をとにかく行ってください。
とにかく問題慣れをするのが効率的です。
試験前日
試験前日に関しては大まかに復習したら、当日に向けてしっかり睡眠をとりましょう。
理論試験は基礎・応用合わせて5時間という長い時間を戦わなければいけません。
次の日の体力を考慮した過ごし方が大切です。
受験票などの忘れ物が無いように前日から持ち物をチェックしておくとよいでしょう。
試験当日
試験当日は可能な限りいつも通りの行動を心がけてください。
試験の日だからといってルーティンを壊してしまうと頭もパニックになってしまいます。
忘れ物が無いのはもちろん、遅刻も厳禁ですので余裕を持った行動を意識しましょう。
圧倒的な勉強量
AT理論試験を合格する人には共通点があります。
それは、圧倒的な勉強量 です。
私自身、高校生まで部活しかやっておらず、
専門学校に進学した際は勉強の仕方すら分かりませんでした。
それでも、全国模試で1位を取れたのはとにかく勉強の量を多くしたからです。
みなさんは何のためにこの資格を目指していますか?
きっと一人一人に目標があり、その通過点にこの理論試験があると思います。
このアスレティックトレーナーというのは、
勉強をすれば必ず取得ができる資格です。
通学中の電車内や空いた時間などを積極的に活用して、圧倒的な勉強量をこなしましょう!
まとめ
- まずはAT教本を暗記する
- AT教本以外の参考書も勉強しよう
- 過去問を制して試験を制す
- 圧倒的な勉強量をこなす
理論試験は合格率が低く、一見すると高い壁にも感じますが決してそんなことはありません。
断言しますが
今回ご紹介した勉強法を実行していただければ、理論試験は必ず合格出来ます。
みなさんの努力が実を結ぶように願っています。
AT試験や身体・スポーツに関することで悩んでいることなどありましたら、
インスタグラムで無料相談なども行っていますので、良かったら下記リンクからご連絡ください。
https://www.instagram.com/trainer.katarigoto?igsh=cDk4ZHdpdjJ2aDJ4&utm_source=qr
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