【プロ選手も実践】サッカー アジリティトレーニング

アジリティ

アジリティとは

アジリティ(Agility)とは、日本語で「敏捷性」や「俊敏性」と訳されることが多く、スポーツの分野では、急激にスピードや方向を変えたり、素早く動作を切り替えたりする能力を指します。





サッカーにおけるアジリティは、試合中の予測不可能な状況に対する即時対応力を意味し、いかに瞬時に適切な動作ができるかがポイントです。

アジリティにはいくつかの要素が含まれます。

  • スピード:短時間で速く動く能力
  • バランス:動作中に安定した姿勢を保つ能力
  • コーディネーション(協調性):筋肉や関節の動きをスムーズに調整する能力



特にサッカーの試合中では、急な方向転換やボールの操作が頻繁に必要になります。


そのため、アジリティの高い選手は動作がスムーズで、素早く対応できるという利点を持っています。


サッカーにおけるアジリティの重要性

サッカーにおけるアジリティは、選手のパフォーマンスを支える極めて重要な要素です。



以下のように、さまざまな局面でアジリティが活かされます。


攻撃時

攻撃の場面では、相手ディフェンダーの隙を突いてドリブル突破やシュートにつなげるために、方向転換や急なスピードの変化が必要です。



ここでアジリティが発揮されると、ディフェンダーの動きをかわし、効果的に相手の守備を崩すことができます。




アジリティが高い選手はボールを持ちながら相手をかわす技術があり、チャンスメイクを行うことが可能です。




ブライトン所属の三苫薫選手は、高いレベルのアジリティ能力によって、爆発的な初速と繊細なボールタッチでチャンスシーンをいくつも再現しています。






守備時

守備の場面でもアジリティは重要で、相手の動きに即座に反応できるリアクションが求められます。




特に、相手がフェイントやドリブルを駆使して突破を図ろうとする際に、アジリティが高いディフェンダーは素早く対応でき、相手の意図を読んでボールを奪取するチャンスが増えます。




現在、FC東京の長友佑都選手はまさに典型例です。
彼は相手のドリブルに対して、全身を反応させて世界の強豪選手と戦ってきました。




アジリティ能力が高いと、1対1で多少逆を取られたとしても簡単にリカバリーをすることが出来るので、守備の対応でも余裕が生まれてくるようになります。




フィジカル面への影響

アジリティは体の瞬発力や反応速度とも関係しています。



動作が無駄なく効率的に行えることで、体力を温存しながらプレーできるため長時間の試合でもコンディションを維持しやすくなります。
つまり燃費の良い身体にも生まれ変わることが出来ます。



またアジリティが備わっていることで、スタミナ消費も軽減され結果的に怪我のリスクも下がります。



減速とストップの重要性

サッカーにおいて「止まる」スキルは、実は「動く」ことと同じくらい重要です。



ピッチ上での急停止や減速は、加速や方向転換とセットで考えるべきスキルであり、状況に応じて使い分けることが求められます。



特に相手との1対1の場面や、密集したエリアでのプレーでは、瞬時に止まれるかどうかがパスやシュートを成功させるカギとなります。



言い換えると、「止まれない選手」はブレーキのない自転車に乗っているのと同じで、自由な動きが制限され、パフォーマンスも発揮しづらくなります。

止まれない🟰アクセルも思い切り出せない

加速力と減速力は密接に関連しています。




減速や停止を的確に行えない場合、プレーにブレーキが効かないためトップスピードに自信を持ってアクセルを踏むことが難しくなります。




つまり、「止まれる」技術がしっかり身についていることで、加速やスピードを生かす自信も生まれ、より積極的なプレーが可能になります。


例えば、ドリブルで相手を抜き去るとき、最後の瞬間に一気にスピードを上げるには、次にどのように減速し、どこで止まるかを意識しておく必要があります。




このような感覚がないと、勢い余って次のプレーに繋がらなかったり、コースが逸れたりする可能性があります。

守備の時も同様で、減速能力やストップ能力がない選手は相手にアプローチするスピードも遅くなってしまいます。



トップレベルになればなるほど、相手へのプレッシャーも速くかけないといけない場面が出てきます。



思いっきりダッシュでアプローチしても相手の前でギュっと止まれることは、
現代のサッカーでは必須の能力と言えます。



減速・ストップが求められる場面

  1. ディフェンス時のコントロール ディフェンダーは、相手の攻撃に対応するために細かいステップでの減速やストップ動作が求められます。

    予想外の動きにもすぐに対応できるように、素早く減速して体のバランスを整える必要があります。
    適切にブレーキをかけられないと、身体が突っ込んでしまい相手に簡単にかわされてしまうリスクが高まります。



  2. オフェンス時のフェイント・ドリブル アタッカーは相手を惑わせるためにフェイントや方向転換を駆使しますが、これらの動作も「加速」だけではなく、適切な「減速」があってこそ効果的です。

    瞬時にスピードを落としつつ次の動きを選択できることで、相手のタイミングを外し、突破を成功させる確率が上がります。




  3. プレーの組み立て時のポジショニング 急激な動き出しが必要な場面でも、まずは動きを整え視野を確保しながら減速や停止することが重要です。

    これにより、周囲の状況を把握したり、的確なポジションを取ることが可能になります。



サッカーにおける加減速の影響:データを基にした分析

サッカーの試合では、選手が加速や減速を繰り返す頻度が非常に高く、その能力がプレーの質や試合全体のパフォーマンスに大きく関わってきます。


特に、スプリントだけでなく短距離での急激な加速・減速が求められる場面が多く、これが試合の成績や選手のパフォーマンスに直接的に影響を与えます。


たとえば、ある調査によれば、プロのサッカー選手は試合中に800回以上の加速・減速を行うと報告されています。




また、スプリントの数やスプリントの平均速度は、選手のポジションや戦術によっても異なりますが、どのポジションにおいても加減速の繰り返しが非常に重要です。




データから見る加減速の影響

  1. プレミアリーグにおける分析 プレミアリーグの選手データを調査した結果、試合中の加速回数と減速回数が多い選手ほど、ボールへの関与や成功したプレーの数が増えることが示されています。

    例えば、スプリントの数が多い選手はボールへのアプローチや攻守の切り替えが速いため、得点チャンスやディフェンス成功率が高い傾向にあります。




  2. UEFAによるトッププレイヤーのデータ UEFAの調査によれば、1試合において選手が行う合計スプリント回数は60回程度に達し、さらに20~30回の短距離スプリントが含まれます。

    特にトップスピードに達するまでの加速時間が短い選手や、急激な減速ができる選手ほど、局面でのプレーが有利に働くことが確認されています。




  3. 加減速の距離と効果 スタミナや筋力が高い選手でも、加速や減速がスムーズに行えないと、疲労がたまりやすくなります。

    研究によると、30メートル以内のスプリントを短時間で何度も繰り返す能力が高い選手は、後半のパフォーマンスも安定しやすいとされています。

    つまり、加減速の技術が身についている選手は、90分間の試合を通してパフォーマンスが落ちにくいことがデータでも裏付けられています。




なぜ加減速がパフォーマンスに影響するのか?

加減速の技術は、サッカーにおける以下のような場面で重要です。

  • 攻撃時のチャンス創出 短時間で加速することで、相手ディフェンスの裏に抜け出したり、パスを受けるポジションに素早く移動できるため、得点機会を増やすことができます。

    これにより、パスを受けるまでの時間が短縮され、守備のギャップを生みやすくなります。



  • 守備時の切り替えと対応 守備時に急加速・急減速ができると、相手の動きに素早く反応して対応できるため、タックルやインターセプトの成功率が向上します。

    特に、ボールを持つ選手に対してスピーディーにプレッシャーをかけられるため、相手がミスをしやすくなります。



  • 試合全体の持久力 加減速のスムーズな繰り返しが可能であれば、プレー中の心拍数が安定しやすくなり、持久力の消耗が抑えられます。

    多くのプレーを支える基盤として、加減速の技術は不可欠といえます。



アジリティはトレーニングで100%向上する!

アジリティは先天的な能力だけではなく、トレーニングを重ねることで向上することが証明されています。


以下は、アジリティを鍛える際の基本的なトレーニング方法です。

ターンTR

ターンは、切り返し局面の多いサッカーにおいては重要なフィジカルスキルになります。

切り返したい方向に体をスムーズにもっていく事で、相手よりも有利にプレーをすることが出来ます。

内ターン

こちらのステップはサッカー特有のものかと思います。



主にゴール前のプルアウェイの動作



体を内側に向けながらターンする技術。特にFWの選手はおすすめ!!





・外ターン

急激な180度ターンなどは外ターンを行う場面が多いかと思います。


角度がキツくなればなるほどステップを細かくすることで最短で小回りなターンをすることが出来るようになります。

 

43秒〜

減速・ストップのトレーニング方法


スプリント&ストップ

目標の距離までを全速力で走り、そのラインでピタリと止まるトレーニングです。
この動きを反復することで、試合中の急ブレーキが自然にかかるようになります。

↑こちらの動画では、サッカーでのリアリティを再現するために、ボールを使っていますが、
まずはマーカーを置き、それに対してスプリント&ストップをするトレーニングでもいいかと思います。



ラダーに関するトレーニングと具体的な方法

ラダー(はしご型のトレーニング器具)を使用したトレーニングは、アジリティ向上に非常に効果的です。

ラダートレーニングでは、下半身の筋力やリズム感、瞬発力を鍛えることができサッカーでの素早い動きや切り返しが可能になります。

ラダートレーニングの効果

ラダートレーニングは、以下の効果を期待できます。

  1. 瞬発力向上:短い時間で足を動かすため、速い動きを必要とする試合において瞬発力が向上します。

  2. バランス力向上:足を正確に動かし、体の軸を維持するため、バランス力が自然に鍛えられます。

  3. 集中力向上:リズムよく足を動かすことで、集中力や注意力が高まります。

ラダーを使った具体的なトレーニング方法


ラダートレーニングを行う際のポイント

  1. フォームを意識する 速く進むことだけを目標にせず、体幹を意識し、正しいフォームで足を運ぶようにしましょう。

    姿勢が崩れると怪我のリスクが高まるだけでなく、トレーニングの効果も薄れてしまいます。



  2. スピードとリズムを意識する 最初はゆっくりでも構いませんが、慣れてきたらテンポを上げリズムよくステップを踏むように心がけましょう。

    サッカーにおける素早い動きとリズム感を養うのに役立ちます。



  3. 徐々に負荷を上げる 初心者は基本のステップから始め、徐々に負荷をかけて難易度の高いステップやスピードを上げていくことが効果的です。

    これにより、トレーニング効果を最大限に引き出せます。



まとめ:アジリティ向上の重要性と今後の練習方法

サッカーにおいてアジリティは、プレイヤーのパフォーマンスを左右する重要な要素です。



特に試合中の即時判断力や相手の動きに対する柔軟な対応力が求められる場面では、アジリティが大きな武器となります。



また、アジリティの向上は攻守どちらにおいても有利に働くため、フィジカル強化と合わせて練習に取り入れることが推奨されます。

さらに、アジリティは日々のトレーニングで鍛えられる能力です。



ラダートレーニングのような基礎的なドリルから始め、徐々に難易度を上げていくことで、確実に動きの質が向上していきます。



また、こうしたトレーニングは、単に体力や筋力だけでなく、瞬時に動きを切り替えるための判断力や集中力も高められるため、試合においても非常に役立つスキルとなります。


アジリティの向上は、サッカー選手にとって長期的なパフォーマンスアップにつながります。




継続的なトレーニングを通じて、試合でのパフォーマンスを支える基礎力を築きましょう。

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