【親離れ】と【子離れ】 プロサッカー選手になるために

サッカー

プロサッカー選手を目指す上で、
親子双方の「親離れ」「子離れ」は非常に重要な要素となります。

このプロセスを適切に進めることで、
子どもは自立心や責任感を養い、
競技者としてだけでなく人間としても大きく成長します。


この記事では、
Jリーグの育成組織で働く私が、
プロになる選手とそうでない選手を見てきた中で感じたことを
皆さんにお伝えしていきたいと思います。

自立心の育成



プロサッカー選手として成功するためには、自ら考え行動する力が不可欠です。

親が過度に干渉せず、子ども自身に判断や選択を委ねることで、
自立心が育まれます。





例えば、練習の計画や目標設定を子ども自身に任せることで、
自己管理能力が向上します。


これを選手の親が干渉した場合に何が起こるでしょうか。

選手は自発的な考えと責任が失われてしまいます。


「お母さんが決めたから」

「サッカーに詳しいお父さんが言ったから」

そう言って目指す将来は同じでも、
いつの間にか自分のためではない誰かのために
行動するようになります。


本質的なところからずれないようにするためにも
本人の意思と自立心のもと、取捨選択をするように促していきましょう。



責任感の醸成

親がサポートを控えることで、
子どもは自分の行動や結果に対して責任を持つようになります。

これにより、試合や練習でのパフォーマンスに対する意識が高まり、自己成長を促進します。


例えば子どもがグラウンドにスパイクを持っていくのを忘れた時、
皆さんならどうするでしょうか。


実際の私のチームでも同じようなシチェーションがありました。

子どもがコーチにバレないように、
練習前に電話で親にスパイクを持ってきてもらっていました。

子どもがその日に楽しくサッカー出来れば良い という考えならば、
この選択は正しいと思います。

スパイクがあれば楽しいサッカーが出来るし、コーチにも怒られないし。。


しかし、プロサッカー選手を目指していたり、
サッカーを通じて人としての成長を願うなら
親の行動は違います。


まず指導者に忘れてしまった事を、誤魔化さず伝えさせること。

その上でどうするかを本人に考えさせること。


何でもかんでも親が干渉していては、
子どもは甘えるでしょうし、責任感が養われません。


好きなサッカーをやりたいのなら、準備も片付けも自分で行うこと。



その上で、親にしか出来ないことをサポートしてあげるべきです。


親離れは子どもが成長する過程で必要なことですが、
大前提、
子離れが出来ていなければ子どもが人として成熟することは難しいでしょう。

親の役割の再定義

親は子どもの最大の応援者であり、サポーターです。

技術的な指導や過度な期待を押し付けるのではなく、
精神的な支えや環境の提供に徹することが重要です。

特にお父さんコーチや、サッカー経験者の親は注意が必要です。

家でサッカーの話をするのは、良いことかと思います。

ただ
「このプレーはもっとこうした方が良い!」
「なんであの判断だったんだ!」

というプレーに対する意見や言葉掛けは
時に、子どもを追い詰めることにもなりかねません。



もしかしたら、家ではサッカーから離れてリラックスをしたい。
という考えの子どももいれば、
親から言われたことがプレッシャーになり
自由な発想とプレーが出来なくなる といったことにもなってしまいます。

あくまで親はサポーターです。

子どもにとって一番の理解者でいることが大事かと思います。

適切な距離感の確保

親子間で適切な距離感を保つことで、
子どもは自分の意志で行動し、
親も冷静に子どもの成長を見守ることができます。



このバランスが、子どもの精神的な安定と成長に寄与します。


日本サッカーを代表する選手たちの親は、
子どもが伸び伸び成長できるように適切な距離感をとっています。

大迫 勇也(ヴィッセル神戸/FW)

「勉強しろとか、あれをやりなさいとか
口うるさく言われることは一度もなかったんです。
のびのびと育ててくれて、好きなサッカーをやらせてくれた」

https://soccermama.jp/node/4163

三笘 薫(ブライトン/MF)

「両親ともにプレーについて何かを言ってくることは特になかったと思います。
そっと距離を置いて接してくれたのがよかったですね。
試合もこっそり観ているタイプでしたから(笑)。
でも、観に来てくれたときは嬉しかったですね」

https://soccermama.jp/node/4163

酒井 宏樹(浦和レッズ/DF)

「試合を観て親が何か言うことはなかったんですけど、
プレー内容が悪い時には、逆に良いところを探して褒めてくれる。
それが申し訳なくて……(苦笑)。
両親がある程度距離を置いて接してくれたことで、自然と考える姿勢が身に付きました

https://soccermama.jp/node/4163


まとめ

プロサッカー選手を目指す過程での
「親離れ」「子離れ」は、
子どもの自立心や責任感を育む上で欠かせないステップです。

親は適切な距離感を保ちながら、
子どもの成長を温かく見守り、
必要なサポートを提供することが求められます


これにより、
子どもは競技者としてだけでなく、
一人の人間として大きく成長するでしょう。

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