1. よく聞く「体幹」って、結局なに?

「最近よく“体幹が大事”って聞くけど、
そもそも体幹って何?」
「サッカーでも体幹が強いと有利っていうけど、具体的にどういうこと?」
サッカーをはじめ、
あらゆるスポーツの現場で
「体幹トレーニング」
「体幹を鍛えることの重要性」
という言葉が飛び交っています。
でも、実は「体幹=腹筋のこと」と思っている方も少なくありません。
確かに、テレビやSNSで「体幹トレ」と紹介されているものの多くは、
- プランク
- 腹筋トレーニング
- バランスボールを使ったトレーニング
といった、いわゆる“お腹まわり”を使うものが多いため、
「体幹=腹筋」というイメージが先行してしまっているのかもしれません。
ですが実際には、
体幹とはもっと広くて深い概念です。
スポーツの動きすべての“中心”となる部位であり、
姿勢をコントロールし、
技術を支え、
ケガを防ぐ役割を果たす。
まさに、
「プレーの土台」となる力が“体幹”なのです。
特にジュニアサッカー選手を育てる中で、
私はこんな場面を何度も見てきました。
- 体は大きいけど、すぐ転んでしまう子
- 足が速いけど、
急なターンでバランスを崩す子 - 上手なのに、
試合中にフラフラして安定感がない子
これらの子に共通していたのが、
「体幹がうまく使えていない」という点です。
逆に、体幹がしっかりしている子は、
・ボールを持っていても姿勢が崩れない
・相手に当たられてもプレーを続けられる
・止まる・走る・蹴るすべての動きが滑らか
見ていて「軸が通っている」「安定感がある」と感じさせるのです。
この記事では、
- 体幹とはそもそも何か?
- どんな役割があるのか?
- サッカーにどう活きるのか?
- どうやって鍛えればいいのか?
を、わかりやすく・実例を交えながらお伝えしていきます。
「体幹って大事そうだけど、よくわからない…」
「子どもに体幹トレをさせる意味が知りたい」
そんな方にこそ、ぜひ読んでほしい内容です。
次の章では、専門的な定義をもとに、
体幹の正しい理解から始めていきましょう。
2.体幹トレーニングがなぜジュニアサッカー選手に必要なのか?

「体幹って大事ってよく言うけど、なんで?」
ジュニア世代の保護者や選手から、
こんな疑問をよく耳にします。
実は、ジュニア期こそ“体幹”の土台づくりが超重要なんです。
理由は大きく3つあります。
① 成長期の「不安定さ」をコントロールするため
ジュニア期の子どもは、
身長が急激に伸び、
骨は成長するのに筋力が追いつかない…
いわゆる“アンバランス期”。
この時期に体幹の安定性があるかどうかで、
プレーの安定感が全く変わります。
パスを出すとき、相手と接触するとき、ジャンプの着地時、
どの場面でも「軸」があるかないかはケガのリスクにも関わってきます。
② 動きの土台となる「運動連鎖」の起点だから
サッカーの動作は、
下半身から上半身までを通した連動です。
シュートを打つときやドリブル中のターンも、
体幹がしっかりしていないと力がうまく伝わりません。
体幹は“胴体のギア”のようなもの。
ここがグラついていたら、足が速くても技術があっても「何かが噛み合わない」選手になってしまいます。
③ 競技スキルの「引き出し」を広げる
これは意外と見落とされがちですが、
体幹が安定することで
“自分の体を思い通りに動かす感覚”が育ちます。
いわゆる「身体操作能力」が高まるので、
結果的にドリブルの緩急やターン、
ジャンプ中のヘディングなどのスキル習得がスムーズに。
トレーニングでの成功体験が、サッカーの自信につながる──これが体幹トレーニングを早めに取り入れるべき理由です。
3. 体幹が強いと何がいいの?

「体幹が強いとサッカーがうまくなる」
とはよく聞きますが、
実際にはどんな効果があるのでしょうか?
ここでは、サッカーのプレーに直結する
体幹の3つのメリットを紹介します。
▶ メリット①:姿勢が崩れない(=プレーが安定する)
ドリブル中やパスを受けたとき、
・ふらつく子
・すぐ倒れる子
・キックのフォームが毎回違う子
に共通するのが、“軸が安定していない”ということ。
体幹が弱いと、
ちょっとした接触やバランスの変化に対応できず、せっかくの技術が発揮できません。
体幹が安定していると、
・プレッシャーの中でも崩れずにキックできる
・ストップやターンがスムーズになる
・フォームが一定になり、ミスが減る
といったメリットがあります。
▶ メリット②:当たりに強くなる(=接触プレーで負けない)
サッカーでは、競り合いやボールキープなど、
「身体をぶつけ合う場面」が非常に多いです。
このとき、ただ筋力があるだけでは不十分。
体幹で“姿勢を保つ力”があることが重要です。
私のチームでも、細身でも体幹が強い子は
「当たり負けしない」「ボールを失わない」選手として重宝されます。
逆に、筋肉があるように見えても体幹が弱いと、
「吹っ飛ばされる」「バランスを崩す」ことが多くなります。
▶ メリット③:ケガをしにくくなる(=長く続けられる)
体幹は“姿勢制御”や“重心の安定”を担っているため、
- 着地時のバランス崩れ
- 無理な姿勢でのプレー
- ねじれ・ブレの多い動き
が起きにくくなり、結果として ケガの予防につながります。
特にジュニア年代は、
骨や関節が未熟な時期なので、
・成長痛
・腰痛
・ねんざや打撲
などのケガを体幹トレーニングで“減らすこと”ができます。
こうした「見た目には出にくいけど、プレーを支える力」が体幹には詰まっているのです。
次章では、実際に“体幹が強い”と言われる選手たちの特徴や、
彼らのプレーのどこにそれが現れているのかを見ていきましょう。
4.ジュニア世代におすすめの体幹トレーニング5選

体幹の重要性はわかったけど…
「じゃあ実際に何をやればいいの?」という声、ありますよね。
ここでは、実際にJリーグ下部組織でも取り入れられている、ジュニア向け体幹トレーニングを5つ厳選してご紹介します。
いずれも自重でできるため、
自宅でもOK!継続のハードルも低いです。
① デッドバグ(Dead Bug)
仰向けに寝て、
手と脚を交互に伸ばしていく動き。
見た目は地味ですが、体幹深部の安定性と手足の協調性が同時に鍛えられます。
ポイント:
・腰が反らないように、常に床に押しつけるよう意識する
・呼吸を止めない
💡プロチームのリハビリにも組み込まれる、ガチ優秀エクササイズ!
② プランク(Plank)
もはや定番中の定番。
ただし、姿勢の精度が命!
ポイント:
・肩〜かかとまで一直線をキープ
・30秒〜60秒を目安に
🙆♂️初めは「秒」が長く感じますが、
正しい姿勢の維持こそがトレーニング。
③ バードドッグ(Bird Dog)
四つん這いで手足を伸ばすバランストレーニング。
サッカーで求められる“片足での安定性”に近い刺激を与えられます。
ポイント:
・お腹にしっかり力を入れて行う
・背中が反らないように注意
④ サイドプランク
横向きのプランク。
体幹でも“側方の安定性”を養います。
ポイント:
・腰が下がらないように注意
・下の肩がすくまないように
⚽サッカーは横方向への切り返しも多い。だからこそ横軸の体幹も必要!
⑤ ヒップリフト(Bridge)
お尻と背中の筋肉を使って、
骨盤と体幹の連動性を高めるトレーニング。
ポイント:
・肩から膝まで一直線に
・腰だけを反らせないよう注意!
✅ トレーニングのコツ
- 毎日やらなくてもOK! 週2〜3回でも十分効果あり
- 最初は短い時間でもOK! 無理せず少しずつレベルアップ
- 「続けられる」工夫を! タイマーアプリや家族での挑戦が効果的
5.ジュニア体幹トレーニングの“落とし穴”と親ができるサポート

体幹トレーニングって、
正直「やってればOK」と思われがちですが…
実はジュニア期にこそ注意すべき落とし穴があります。
ここでは、よくある失敗例と、それを回避するための保護者のサポートポイントをご紹介します。
落とし穴①:フォームがめちゃくちゃ
フォームが崩れたまま続けても、
体幹は鍛えられません。
むしろ腰を痛めたり、変なクセがつく危険性も。
✍️ 解決策: 親が“姿勢チェック係”に!
スマホで動画を撮って、一緒に見直すのもおすすめです。
「背中まっすぐだったね!」というポジティブな声かけが継続のカギ。
落とし穴②:やらされ感満載で続かない
「先生に言われたから」
「トレーナーに言われたから」
と仕方なくやる体幹は…正直続きません。
✍️ 解決策: “遊び”要素や「できた!」体験をプラス
・タイムチャレンジ
・親子対決
・アプリで記録をつける
小さな達成感を積み重ねることで、トレーニングが「楽しい時間」になります。
落とし穴③:効果が出てるかわからない
「ちゃんと効いてるのか…?」
と不安になりすぐやめてしまうケースも。
✍️ 解決策: 成果は“見えにくい”が、“感じる”ことはできる
・以前よりバランスが取れている
・接触プレーで倒れにくくなった
・コーチに「動きが安定したね」と言われた
こんな変化に気づけたらOK。保護者の“気づき力”が子の自信につながります。
✅ 体幹は「正しく・楽しく・コツコツ」が基本
ジュニア期の体幹トレーニングは、
ただやらせるだけでは意味がありません。
・なぜやるのか
・どうやればいいのか
・どう成長につながるのか
これらを“親子で共有”することが、何よりも効果的なトレーニングになります。
そして最後にひとこと…
体幹は「強さ」ではなく「安定性」──ブレない体は、ブレない心も育てます。
8.おすすめの体幹トレーニング器具
2.バランスディスク
7.まとめ:体幹は“伸びしろの原点”である

ジュニアサッカー選手にとって、
体幹は単なる筋トレではなく「土台づくり」です。
✅ 今回のポイントをおさらい
- 体幹とは?
→ 胴体部分の筋肉の総称で、動きの“軸”となる場所。 - ジュニア期に必要な理由は?
→ 成長期の不安定さを支え、動きの連動性を高め、ケガを予防するため。 - おすすめトレーニングは?
→ デッドバグ・プランク・サイドプランクなど、自重でできるものを継続! - 親のサポートは?
→ フォームのチェック、声かけ、成功体験を作ってあげることがカギ!
📣 最後にひとこと
体幹トレーニングは「目に見えにくい努力」です。
でも、この“地味な努力”が、後々のスキル習得やケガ予防において「派手な成果」となって返ってきます。
「ブレない体」は「ブレない判断」や「ブレない自信」につながる。
そんな選手を育てるためにも、ジュニアのうちから“体幹”という名の土台を、親子で一緒に作っていきましょう!
コメント