サッカー選手が試合で最高のパフォーマンスを発揮するためには、計画的な筋力トレーニングが不可欠です。
本記事では、ピリオダイゼーション(期分け)を活用したトレーニング計画の立て方と、
・筋肥大
・最大筋力向上
・パワー向上
といった各目的に応じたセット方法を詳しく解説します。
また週2日および週4日のトレーニングスケジュールの具体例を示し、試合から逆算した効果的なトレーニング計画の立案方法を紹介します。
ピリオダイゼーションとは

ピリオダイゼーションとは、
トレーニングを計画的に期間で区切り、
各期間に特定の目標を設定してトレーニングを行う手法です。
これにより、選手は試合に向けて最適なコンディションを整えることができます。
一般的なピリオダイゼーションの流れは以下の通りです。
- 準備期:基礎的な体力や筋力を向上させる期間。
持久力や筋力の基盤を築きます。 - 試合前期:技術練習や戦術練習を主とし、
実践に近いトレーニングを取り入れます。 - 試合期:試合が行われる期間で、
コンディションをピークに持っていきます。
疲労をためすぎないことが重要です。 - 移行期:試合期直後の期間で、
低強度のトレーニングやレクリエーションなどによって、怪我や疲労の回復を促します。
トレーニングの目的とセット方法
筋肥大
筋肥大は、筋肉量を増やすことを目的とします。
これにより、最大筋力の向上やフィジカルコンタクトの強化が期待できます。
効果的なセット方法は以下の通りです。
- 負荷:8〜10回反復できる重量(8RM〜10RM)
- セット数:3〜5セット
- 休息時間:30〜90秒
最大筋力向上
最大筋力の向上は、重い負荷を扱う能力を高めることを目的とします。
これにより、爆発的なパワーを発揮する基盤を築きます。
効果的なセット方法は以下の通りです。
- 負荷:3〜5回反復できる重量(3RM〜5RM)
- セット数:3〜5セット
- 休息時間:2〜5分
パワー向上
パワー向上は、筋肉が瞬時に大きな力を発揮する能力を高めることを目的とします。
効果的なセット方法は以下の通りです。
- 負荷:1RMの30〜60%
- 反復回数:4回
- セット数:3〜5セット
- 休息時間:2〜5分
週2日トレーニングの具体例
試合が日曜日にある場合の週2日トレーニングスケジュールの一例を示します。
- 火曜日:最大筋力向上トレーニング
- 種目:スクワット、デッドリフト、ベンチプレス
- セット方法:各種目3〜5セット、3〜5回反復できる重量、休息2〜5分
- 金曜日:パワー向上トレーニング
- 種目:ジャンプスクワット、メディシンボールスロー
- セット方法:各種目3〜5セット、4回反復、1RMの30〜60%、休息2〜5分
週4日トレーニングの具体例
同じく、試合が日曜日にある場合の週4日トレーニングスケジュールの一例を示します。
プロサッカー選手や、高いレベルでプレーをしたければ、基本的に週4日は最低限必要かと思います。
- 火曜日:下半身の最大筋力向上トレーニング
- 種目:スクワット、ランジ
- セット方法:各種目3〜5セット、3〜5回反復できる重量、休息2〜5分
- 水曜日:上半身の最大筋力向上トレーニング
- 種目:ベンチプレス、懸垂
- セット方法:各種目3〜5セット、3〜5回反復できる重量、休息2〜5分
- 木曜日:パワー向上トレーニング
- 種目:クリーン、ジャンプスクワット
- セット方法:各種目3〜5セット、4回反復、1RMの30〜60%、休息2〜5分
- 金曜日:パワー向上トレーニング
- 種目:メディシンボールスロー、ボックスジャンプ
- セット方法:各種目3〜5セット、4回反復、1RMの30〜60%、休息2〜5分
試合から逆算したトレーニング計画

試合に向けて最適なコンディションを整えるためには、
トレーニングのタイミングと内容を試合から逆算して計画することが重要です。
以下にそのポイントをまとめます。
- 試合4〜6日前:最大筋力向上や筋肥大を目的とした高負荷トレーニングを行う。
これにより、試合までに十分な回復時間を確保しつつ、筋力の向上を図る。 - 試合2日前:パワー向上を目的としたトレーニングを行う。
軽めの負荷で爆発的な動作を取り入れ、神経系の活性化を促す。 - 試合前日:必要に応じて軽いパワートレーニングを行うか、完全に休養を取る。
疲労を最小限に抑えながら、試合で最大のパフォーマンスを発揮できるように調整する。
七つのトレーニング原則

サッカー選手の筋トレも、
ただがむしゃらにやるだけでは意味がありません。
「とりあえずスクワットしておけばいいんでしょ?」なんて考えていると、
試合ではボールより先に膝が悲鳴を上げるかもしれません。
ここでは、サッカー選手が筋トレで最大限の効果を得るために 絶対に押さえておくべき「七つのトレーニング原則」 を、解説します!
① 全面性の原則
「上半身は要らないっしょ?足だけ鍛えればOK!」
そう思っているそこのあなた。
試合終盤、相手DFと体をぶつけた瞬間に吹っ飛ばされる未来が見えます。
サッカーは全身を使うスポーツ。
特に「下半身ばっかり鍛えて、上半身が貧弱な選手」は、競り合いで負けやすくなります。
✅ 具体例
- スクワットやデッドリフトだけでなく、
ベンチプレスや懸垂も取り入れる - 体幹トレーニング(プランクやパラロール)を怠らない
② 個別性の原則
センターバックの選手がウィンガーと同じトレーニングをしていたら、
空中戦で負けまくるか、逆に必要以上に細マッチョになってパワープレーで勝てなくなります。
✅ 具体例
- CBなら・・
下半身+体幹を重点的に強化(スクワット+懸垂) - FWなら・・
瞬発力を上げるパワートレーニング(クリーン+プライオメトリクス) - MFなら・・持久力と筋持久力のバランスが大事(ランジや有酸素能力)
③ 意識性の原則
「スクワット100kg!ドヤァ!」
…いやいや、それちゃんと狙った筋肉に効いてます?
筋トレは「どの筋肉を鍛えているのか」を意識しないと、
適当にフォームが崩れたり、無駄な動きが増えたりします。
特にサッカー選手は「実戦につながる筋トレ」を意識することが重要!
✅ 具体例
- スクワットでは「ハムストリングス・大腿四頭筋・臀筋」を意識
- ベンチプレスでは「胸だけでなく体幹の安定性」も意識
- デッドリフトでは「地面を蹴る感覚」を意識
④ 過負荷の原則
「軽めのダンベルで気持ちよく筋トレしてます!」
…それ、現状維持です。
サッカーのフィジカルを強くするには、
負荷を適切に高めることが必須。
「楽にできる」筋トレでは筋肉は成長しません。
✅ 具体例
- 最大筋力を上げたいなら 85~95%の高負荷で3~5回
- 筋肥大したいなら 70~80%の負荷で8~12回
- パワーをつけたいなら クリーンなど爆発的動作を取り入れる
⑤ 漸進性の原則
「よし、今日からいきなり100kgスクワットだ!」
…それ、たぶん明日動けなくなります。
筋トレは 少しずつ負荷を上げていく ことが大事。
急激に負荷を増やすと、怪我のリスクが跳ね上がります。
✅ 具体例
- 週ごとに2.5~5kgずつ重量を増やす
- まずはフォームを完璧にしてから重さを増やす
- リカバリー期間 をしっかり確保(オーバートレーニングを防ぐ)
⑥ 特異性の原則
「とりあえず筋トレしてればサッカーもうまくなる!」
…そんなわけがない。
サッカーに必要なのは 「試合で活きる筋力」 。
ベンチプレスが上がっても、試合で足が止まってしまっては意味がない。
✅ 具体例
- スプリント向上には ヒップスラスト+プライオメトリクス
- 競り合い強化には スクワット+懸垂
- シュート力UPには 片脚スクワット+ミッドボールスロー
⑦ 可逆性の原則
「今週はサボるけど、また来週頑張る!」
…それ、筋力リセットされます。
トレーニングをやめると、筋肉はあっという間に落ちてしまいます。
せっかく鍛えた筋力を維持するためには、
継続することが大前提!
✅ 具体例
- 試合期でも 低強度の維持トレーニング を続ける
- オフシーズンでも軽めの筋トレを実施し、衰えを防ぐ
七つの原則を押さえて、試合で勝てる体を作ろう!
これらの原則を意識することで、
サッカーに直結する筋力 を効率的に鍛えることができます。
今日からは「ただの筋トレ」ではなく、
「試合で活きる筋トレ」を意識して取り組みましょう!
トレーニングの注意点
トレーニング計画を立てる際に注意すべきポイントを以下にまとめます。
疲労管理
筋トレは大事ですが、サッカーのプレーに悪影響を及ぼさないようにすることが最優先です。
特に試合前のトレーニングでは、強度の調整が重要です。
高負荷の筋力トレーニングは、
試合の数日前までに終わらせ、
試合に近づくほど神経系を活性化するパワートレーニングに移行しましょう。
サッカーのトレーニングとのバランス

サッカーのスプリントやアジリティトレーニングと筋トレの組み合わせを適切に調整することが大切です。
例えば、スプリント能力を向上させるためにスクワットを取り入れる場合は、
スプリント練習の前に筋トレを実施することで、
動作の改善につながります。
栄養と回復の重要性
筋トレの効果を最大限に引き出すためには、
適切な栄養補給と回復が不可欠です。
特に、BCAAやEAAなどのアミノ酸を活用し、筋肉の修復をサポートしましょう。
(関連記事:「サッカー選手にとってのEAAとは」)
おすすめEAA
個人の特性に合わせた調整
すべての選手が同じトレーニング計画で成果を出せるわけではありません。
ポジションやプレースタイル、個々の筋力レベルに応じて、負荷や回数を調整することが必要です。
まとめ
サッカー選手の筋トレ週間スケジュールは、
試合から逆算して計画を立てることが重要です。
ピリオダイゼーション(期分け)を活用し、
筋肥大・最大筋力向上・パワー向上の
各目的に適したトレーニングを実施することで、
試合で最高のパフォーマンスを発揮できます。
ポイントをおさらいすると…
✔ ピリオダイゼーションを活用し、試合前のトレーニング負荷を適切に調整する
✔ 筋肥大、最大筋力向上、パワー向上の各トレーニングに適したセット方法を取り入れる
✔ 週2日・週4日のトレーニング例を参考に、自分のスケジュールに合わせた筋トレを実施する
✔ 栄養や回復にも気を配り、トレーニング効果を最大化する
この計画を参考に、自分に合ったトレーニングスケジュールを組み立ててみてください!
トレーニングの成果を試合で発揮できるよう、計画的に取り組んでいきましょう!
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