はじめに
みなさん、こんにちは。
私は現在、Jリーグのチームでトレーナーとして活動しています。
日々、選手のフィジカルを向上させるために様々な視点からアプローチを行なっていきます。
ある日、SNSでこんなことを言っているサッカー指導者の投稿を見ました。
サッカーの走り込みは無駄!素走りは昭和的な考え方!
サッカーを習っていた人の多くはこの走り込みを経験したことがあるのではないでしょうか?
私が選手だった時ももちろんありました。
長い距離を走ったり、ダッシュを何回も繰り返したり。。
チームによっては伝統的な名物走り込みメニューなんかもあったりします。
さて、今回はこの【走り込み】に関して、
サッカーにとって無駄なのか。それとも必要なのか。
私の見解をお伝えしようと思います。
走り込みとは・・ボールを使わない走りがメインのトレーニング
大前提として、サッカーにおけるフィジカル能力が上がるかどうかとしての考えになりますのでご理解お願いします。
結論:走り込みは必要。

理由①:ボールTRだけでは限界がある!
走り込みを行う目的のほとんどは
試合中に走れるようになるためかと思います。
ではボールTR(トレーニング)だけで
試合で走りきる体力は身につくのでしょうか。
私の経験則から言うと答えはNOです。
確かに走り込みを行わず、
ボールを使った中での高強度トレーニングを行えれば
それが理想かと思います。
しかし、現実は違います。
ボールを使った中での高強度トレーニングを設定するためには、
- ある程度の技術が求められる
- 選手自身が高い意識で取り組むこと
- 頭の切り替えを瞬時に行わないといけない
といったことが求められます。
この条件を満たせるチームは育成年代ではもちろん、
プロのチームでも中々ないかと思います。
仮にボールTRだけで心肺的な負荷と筋持久力を向上させるとなったら、GPS測定や休息時間のコントロールなど、
細かいオーガナイズも必要になってきます。
理由②:最大出力の向上!

ボールを使わない走り込みのメリットとして、
最大出力の向上 が挙げられます。
ボールTRの場合、どうしてもロングスプリントや最大速度をだす場面がありません。
オフザボールの動きにおいて、
目線は常にボールにありますし、
意識も自分の外に向けられます。
そのため自分の力を100%発揮することが難しくあります。
一方で、走り込みはボールを扱うストレスがないため、
自分の最大出力を発揮できるということです。
理由③:疲労してる中でも動けるようになる!

つまり根性が身につくということです。
論理的に説明すると、、
疲労により溜まっていく乳酸をエネルギーに変換させる能力の向上。
簡単に解説すると、、
乳酸とは、激しい運動を行った時にエネルギー源である
筋グリコーゲンを分解する過程で生み出される物質です。
この乳酸が体内に蓄積すると、
身体が動かしずらかったり疲労感を覚えたりします。
しかしこの乳酸は決して悪いものではなく、
またエネルギーに再利用することができるのです!
走り込みにより高強度のトレーニングを行うことによって、
身体は効率よく乳酸を処理出来るようになり、
持久力やパフォーマンスが向上するようになるのです!
つまり、
走り込みは疲労を蓄積しづらくなり、
疲労してる中でも動き続けられるようになるのです!
=根性がつく!!
サッカーの体力と走り込みの体力は違うのか!?

走り込みは不要論を唱えている人の意見として、
サッカーの体力と走り込みの体力は違う。
というのがあるそうです。
私は日々サッカー選手のトレーニングをサポートしている立場ですが、この意見には正直あまり理解が出来ません。
というのも、
例えば走り込みのスプリントで時速18km/hしか出せない選手が、サッカーになったら時速22km/hのスピードを出すことが出来るの??
という考えと同じなわけです。
もちろん、走り込み以上のスピードはサッカーではだせませんよね。。
持久力でも同じ考えです。
最近の日本代表の試合における走行距離を見てみると、
鎌田大地選手がチームでもトップの結果となっています。
それでは、鎌田選手は素走りで走れない選手なのか?
そんなことがあるわけありませんよね。。
走り込みとサッカーの時でフィジカル能力が変わるわけがないのですから、この意見は支離滅裂であると言えます。
実際に私のチームでも、
試合で走れない選手は、走り込みをさせても走れません。
サッカーで走れるようになりたければ、走り込みは必然
と言うことが出来るのです。
実際にJクラブは走り込みをしているのか?

結論ですが、
育成年代において
ほとんどのチームが走り込みをしています。
私の所属しているクラブでも行なっていますし、
他のJクラブのトレーナーやフィジカルコーチと話していても、走り込みをトレーニングの一環として行なっていると
ほとんどの方が言っています。
小学生年代においては怪我などのリスクや、
走り込みによる持久力をつけることよりも優先順位
があるため、そんなにやらないかと思います。
しかし身体がしっかりしてくる中学生年代から高校生年代に関しては走り込みを行なっていることが多い現状があります。
もちろん、Jクラブに限らず中体連や高体連でも力のあるチームのほとんどは行なっているでしょう。
身体のピークを迎える中学2年生くらいからは適切な負荷で走り込みを始めていくといいかと思います。
また、トップチームでもコンディションの一環として
週の最初か2日目あたりに走り込みをしている印象があります。
プロ選手も当たり前に素走りをしている現状から、
走り込みは必要不可欠なトレーニングと言えます。
サッカーは走るスポーツ!

近年のサッカーでは、
フィジカル要素がどんどん重要視されてきました。
特にプレミアリーグをはじめとした海外のサッカーでは、
スピードやプレー強度が年々上がってきています。
世界最高峰とも呼ばれるプレミアリーグに日本人が挑戦し続けている時代になってきて、私自身とても感嘆しています。
今後もそういった選手が増え続けていくことが、
日本サッカーの強化にも繋がっていくと信じています。
海外サッカーやJリーグでは、
より一層高いフィジカル能力が求められます。
高い強度をどれだけ連続で発揮できるか。
その基盤となるのが走る力です。
その走る力を効率よくの向上させるのが、走り込みです。
きついトレーニングですが、
フィジカル能力を向上させるためにも向き合っていきましょう!
おすすめ走り込みトレーニング
【グラウンド10周走】
→有酸素能力の向上
制限時間:
中学生 13分30秒
高校生 13分
大学生 12分30秒
【グラウンド1周走×5本】
→乳酸代謝の向上、ミドルパワー向上
制限時間:
中学生 62秒
高校生 55分
大学生 52秒
【シャトルラン×20本】
(ゴールライン→ゴールエリア→ゴールライン→ペナルティエリア→ゴールライン)
→間欠的持久力の向上・切り返しの向上
制限時間:
中学生 11秒
高校生 9分
大学生 8秒
休息:20秒
まとめ
・走り込みは必要!
→ボールTRだけでは限界がある!
→最大出力の向上!
→疲労してる中でも動けるようになる!
・サッカーの体力と走り込みの体力は同じ!
・Jクラブも走り込みをしている!
・サッカーは走るスポーツ!
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